2017-07-31

手足口病 ~夏の感染症~

手足口病のお子さんが来院されました。この病気をみると、皮膚科としては夏だなあと感じます。

手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹で気づかれる急性ウィルス性の感染症で、乳幼児を中心にして夏季に流行します。原因となるウィルスは主にコクサッキーウィルスA16 、A6、エンテロウィルス71などです。症状は、3~5日間の潜伏期間の後に、口腔粘膜、手掌、足底など四肢末端に2~3 mm程度の水疱性発疹が出現してきます。発熱は約3分の1にみられますが、軽度で高熱が続くことは通常ありません。水疱が出現後、3~7日の経過で軽快する疾患ですが、まれに髄膜炎を合併することがあります。日本では、学校に登校(登園)は可能ですが、症状が消えた後も、2~4週間にわたり便などからウィルスが排出されますので、家族間、学校での感染に気を付けましょう。

私は今までお孫さんが幼稚園でもらってきた手足口病が、翌週におばあちゃま、その後お父様にうつり3世代にわたり連日診察をしたことがあります。大人がうつると子供よりも症状が強かったのが印象的だったのを覚えています。

 

 

夏は感染症の疾患が多い季節であります。ウィルス性感染、細菌性感染の予防の基本は手洗いです。外出から帰ったら、またトイレの後にはみなさん石鹸で手を洗いましょう。また、感染した場合にはタオルを共用しないことをお勧めします。

院長 藤本智子