紅斑が急増し、痒みが伴うことも
うろこ状の斑点が急激に増えていく症状を乾癬(かんせん)と言います。
典型的な症状としては皮膚が赤くなって盛り上がり(紅斑)、徐々にその表面が銀白色の細かいかさぶたで覆われ、やがてそれがフケのように剥がれ落ちていきます。
痒みは約半数の患者様に見られます。
紅斑の大きさや数、形などは様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。
紅斑のできやすい部位としては、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。
決して感染することはない
発症する原因についてははっきりわかっていませんが、遺伝的な要素と、気候、ストレス、風邪、喫煙、飲酒、食生活などの外的要素、糖尿病、高脂血症、肥満などの要素が関連して発病に至ると考えられています。欧米での発症率のほうが多かったのですが、近年の食生活の欧米化により、日本でも増加傾向にあり、10万~20万人の患者さんがいるといわれています。
乾癬には、症状により、5つの種類(尋常性乾癬、滴状乾癬、乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬、関節症性乾癬)があります。
乾癬は感染する病態ではありません。
一律ではなく症状に応じた治療を行う
乾癬は生活環境などでも良くなったり悪くなったりを慢性的に繰り返すことが多いです。
そのため、定期的な通院でその時のその症状にあった治療を選択していきます。
多くの場合は、外用薬のステロイドやビタミンD軟膏を使用しての外用療法を行いますが、重症度に応じて、ナローバンドやエキシマの機械を使った紫外線療法や、免疫に働きかける内服や注射といった治療もあり、近年特に治療選択肢が広がってきています。
また、発疹そのものがストレスとなって症状を悪化させることもありますので、気持ちのリフレッシュも大切です。