アレルギー性皮膚炎
アレルギーによる皮膚トラブルは、蕁麻疹(じんましん)、接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎が3大症状と言われています。しかし、アレルゲン(抗原)は、動植物、食品、化粧品、金属、化学薬品、薬など、様々なものが考えられるため、原因が特定できないケースも少なくありません。
アレルギー性皮膚炎の症状は、「軽微」「軽症」「中等症」「重症」と段階的に悪化していきます。皮膚の痒みによって掻いてしまい、それによって悪化していくという悪循環に陥りがちです。
アレルギー性皮膚炎の原因
食べたり呼吸したり、皮膚のバリア機能が弱るなどして、体内にアレルゲンが入ることによって、アレルギー症状が起こります。アレルギー症状は、アレルゲンの数だけあると言ってもよく、その起こり方も多種多様です。
アレルギー性皮膚炎の対処法
- アレルゲンを体内に入れない、触れない
- 「蕁麻疹」ならば、魚、肉、卵などをはじめとした飲食物、抗生物質や解熱鎮痛剤などの薬剤、植物や昆虫などがアレルゲンになる可能性があります。また、「接触皮膚炎」ならば、ウルシやギンナンなどの植物、化粧品、クロムやニッケルなどの金属、洗剤、薬剤などがアレルゲンの代表です。したがって、これらのアレルゲンを体内に入れない、触れないことが何よりも重要です。 原因物質がはっきりしないことも多いのですが、食物アレルギーなどは原因を特定できたら避けることが大切です。また、化粧品などは、上腕の内側など皮膚の柔らかい部分に塗ってみて、腫れや痒み、赤みなどのアレルギーを起こさないかを確認してから使うほうが安心でしょう。
- 十分な保湿を心掛ける
- 皮膚には、バリア機能と呼ばれる体の内部を守る機能があります。この機能によって、皮膚の乾燥を抑え、同時に体外からの異物の侵入を防いでいます。このバリア機能が低下すると、皮膚が乾燥し、外界からの刺激を受けやすくなってしまいます。このバリア機能を高めるために重要なのは、肌の保湿です。入浴後、水仕事の後などは、ローションやクリームなどを使って、十分な保湿を行いましょう。
- 生活習慣を見直して、体質を変えていく
- アレルギー症状の緩和に有効だとされるのが、体質改善です。アレルギーの原因としては、様々なものが挙げられていますが、元来は体の防御反応であり、その働きを正常に戻すことが重要とされます。十分な睡眠と規則正しい生活、適度な運動などでストレスを解消するように心掛けましょう。
蕁麻疹
丸っぽい形をし、少し盛り上がったみみず腫れが数分~24時間以内にできては消退していくような皮膚疾患を蕁麻疹と呼びます。多くは痒みを伴いますが、チクチクとした痛みや、熱く焼けつくような痛みが生じることもあります。蕁麻疹の原因は、飲食物や飲み薬、病原微生物の感染などいろいろです。蕁麻疹の検査にあたっては、血液検査IgE RAST法、血液検査などが行われます。蕁麻疹の治療には、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などを用います。薬を内服すれば、多くの人は数日で症状が治まりますが、医師の指示に従って飲み続け、徐々に減薬していくことが大切です。
接触皮膚炎(かぶれ)
皮膚に触れたものの刺激や毒性が原因で起こる炎症や湿疹を接触皮膚炎と言います。原因が明らかでない場合は、パッチテスト(原因と思われる物質を皮膚に貼り、反応を見る)を行います。原因物質がわかったら、その物質が含まれるものに接しないようにします。短期的にステロイド外用薬を使用し、痒みが強い場合は抗ヒスタミン薬などを用います。また、接触皮膚炎にはアレルギー性のものもあり、原因物質に繰り返し触れることで湿疹が現れます。アトピーと間違えやすいのですが、複合的な要素が絡んで複雑なアトピーとは違い、原因を特定しその刺激を除きさえすれば、比較的容易に治せます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、痒みのある湿疹が体や四肢に左右対称にできる慢性的な皮膚疾患で、良くなったり悪くなったりを繰り返します。多くの患者さんは、皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)を併せもっています。治療では、ステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などによる薬物療法、および適切なスキンケアによって、治癒したのも同然の状態を目指していきます。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を補助的に用いることもあります。薬の使用にあたっては、医師の指示をきちんと守りましょう。
- 「Viewアレルギー39検査」について
- 「Viewアレルギー39検査」とは、アレルギー症状を起こしやすい39種類のアレルゲンを1度の採血で検査することができる血液検査のセットです(保険適用)。
たくさんの種類のアレルギー検査をすることで、自分でも思ってもみなかったアレルギーの原因が見つかるかも知れません。 - 20分で結果がわかるアレルギー検査について
- この検査は、スギ花粉やダニ、イヌやネコのフケなど、みなさんの目に入ってしまったり吸い込んでしまう可能性のあるアレルゲンに反応する「IgE」という抗体がからだの中にあるかどうかを調べるためのものです。指先からの採血により20分で結果がわかるアレルギー検査です。
- パッチテストパネルS
- 日本で多いアレルギーのうち24種類のアレルゲンに対応したテストができます(保険適用)。
長く続く皮膚炎の原因探しをします。
背中に貼って日用品でのアレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の検査であり、1週間に4日検査に来院が必要なものになります。
具体的な39の検査項目は下記の通りです。
食物
- 卵/卵白、オボムコイド
- 牛乳
- 小麦
- 豆、穀、種実類/米、ソバ、大豆、ゴマ、ピーナッツ
- 甲殻類/エビ、カニ
- 果物/リンゴ、バナナ、キウイ
- 魚、肉類/マグロ、サバ、サケ、牛肉、豚肉、鶏肉
吸入系
- 室内塵/ハウスダスト、ヤケヒョウヒダニ
- 樹木/スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
- イネ科/カモガヤ、オオアワガエリ
- キク科/ブタクサ、ヨモギ
- 真菌(カビ)/アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア
- 動物/ネコ(フケ)、イヌ(フケ)
- 昆虫/ゴキブリ、ガ
その他
- ラテックス