2017-10-19

日刊ゲンダイ 皮膚を科学する 食べてもいないのになぜ? 辛味成分に触れると温かい理由

今日は、皮膚科疾患とは少し別の話題で取材をうけました。

https://hc.nikkan-gendai.com/articles/215828?page=1

〇〇ラーメンの5辛を頼むととうがらし、沢山はいっていて一気に口の中が辛く、熱く、さらに痛みを感じませんか?私はそれに加えて額や頭部全体、首から上の部分からとめどなく汗が流れ落ちます。。。唐辛子のカプサイシンという成分を関知する受容体は、実は痛覚とも連動しており、そのような感じ方になります。また、メンソールがはいったガムをかむと、さわやかな感覚とともに、冷たい、ひんやりといった感覚も起こりますね。それも、メンソールを関知する受容器が冷感を感じる感覚器であることが分かっています。

辛いといったものは触ったり、食べると危険なことがありますね。毒だったり体に危害が加わる信号として、痛みに変換して進化したという説があります。

ただ、逆転の発想もまたしかり、難治性の神経痛に対してカプサイシン入りの軟膏を外用する治療も病院では行います。皮膚科では帯状疱疹後に続く痛みに対してカプサイシン軟膏を外用してその部分の痛みを治療します。当院でも行っている治療です。

ヒトの体の不思議、その中で皮膚の役割の不思議は本当に奥深くて、全てが理にかなって美しいなと感動します。

院長 藤本智子