2020~2021 ゆく年くる年(遅めです)
2020年があっという間に終わり、新しい年が明けました。今年のふくろう皮膚科もいつもと違って忘年会も新年会もない年越しとなりました。昨年は0歳から100歳まであらゆる年代の患者さんがクリニックを受診され、お会いできたことがとてもうれしく思いました💕ここではコロナのことをここでは除いたクリニックの1年の出来事を振り返ってみますと、
●腋窩多汗症の治療薬が新しくでた👏
これがやはり私にとっては1番の出来事でした。これまで治療選択肢が本当に少なかったので、この薬を皮切りに認知度が高まり、多汗症を診療する医療機関が増えて、困ったら近くの医療機関に受診ができる流れが確立していくと思います。自身も診療の経験を講演会や雑誌、メディアを通じて理解が深まるお手伝いができる機会を頂き、その度課題がでてきますが今年も継続していけたらと思っています。医療者向けのweb講演会では7600人の聴講者がいたことは驚愕の数字で、今後多汗症診療はメジャーになっていく強い予感を感じます。あと一歩‼
●新しく色素を消すQスイッチアレキサンドライトレーザーを導入した✨
日々の診療の中で、やはり顔のしみやほくろの相談を受けることが多くありました。皮膚科の病気の疾患を治す、その先に肌を健康で健やかな状態に保つことは自然な流れでしょう。美容皮膚科という領域は奥深いと思いますが、ふくろう皮膚科が考えるそれは、不自然なアンチエイジングを目標にすることは決してありません。しかしみずみずしく、健康な輝きを持つ肌は、日常の生活のQOL向上とポジティブな姿勢につながる状態に導くことと考えています。Qスイッチアレキサンドライトレーザーは、太田母斑・異所性蒙古斑に保険が適応されますし、しみ、顔のくすみ、肌のツヤといった内容にも対応できるレーザーとなります。どうぞご相談ください。
などが大きな出来事であったと思います。またこの1年、ふくろうスタッフも大きな怪我や病気もなく過ごせたことはなにより幸いでした。
幸せのおすそ分けをいただいたのでさらにおすそ分けを🚀
みなさんエビスビールのえびす様、ご存じですよね?その絵よく見たことありますか?左脇に鯛を抱えているのですが、まれに背中におかれたカゴにも鯛が入っているラッキーヱビスがあるというのです。「数百分の1」でしかも「瓶ビールのみ」というのですが、なんと130周年記念に2020年は缶ビールにもでたらしいです(全部ネットからの情報(‘ω’)。全く知らずに今までどれだけエビスビールで乾杯していたことか。。。。。) 年末のある日、友人Mちゃんが「レアな缶が当たったが、自分だけでこの幸せを独り占めするわけにはいかん」と、プレゼントしてくれました( ゚Д゚)。そんなこと言われて私もとても乾杯できない状態で冷蔵庫に眠っておるわけで、このブログを通じてさらに分かち合おう(^^)/と思いました。
今年もまだコロナの中にありますが、一歩一歩歩んでいきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。 院長 藤本智子
原発性腋窩多汗症の新薬エクロック®ゲル5%が発売されます
2020年11月26日、世界に先駆けて、本邦初のソフピロニウムを主成分とした原発性腋窩多汗症の、塗る!治療薬、その名も エクロック®ゲル が処方できるようになります👏👏👏
実はワタクシこの外用薬、2015年くらいからでしょうか、開発に関わらせていただいておりました。日本で行った治験場所にも、ふくろう皮膚科クリニックが含まれまして、来院された患者さんも参加していただいております。あれから数年かけて見事、安全性と有効性が証明されこのたび日本で新しい外用薬が誕生しました!
今までなかなか多汗症の治療が普及しなかった大きな理由の一つが、どこでも処方できる薬がなかなかなくて、先生方も治療したくてもできなかった‼というものでしたので、保険適用で、処方箋で薬局でもらえる外用薬がでたということは、非常にインパクトがあります。患者さんたちも、腋窩多汗症でお困りの方がおられたら、まず近所のクリニックや診療所で治療ができる時代になりましたヽ(^o^)丿
少しずつ多汗症の認知度は高まってきているのを感じていますが、これから一気に診療できる場所が全国の保険診療をする医療機関になったことで、汗で日常生活に支障がでている、自分の力を発揮できないと感じている人はぜひ相談をしていただけたらと思います。これからこの薬に関連した講演会が多く続きますが、多汗症の理解が深まっていくように伝えられること、これからも行っていきたいと思います。 院長 藤本智子
院長の趣味のきのこ図鑑 ~完璧なきのこ~(皮膚科の内容はありません)
先日、山梨県のある山道を森林浴してきました。国道から5Mくらいと、ほんの少し入った場所ですが、山道でもないのでだれーも歩く人がいませんでした。富士山が貞観6年(864年)に噴火した際に灼熱に焼けた溶岩流が流れ下り、冷えて固まったのが風穴や氷結といわれる特殊な地形を作り上げたそうです(詳細は成書に譲らせていただきます)。そこに、いつしか木が生え、苔がむし、樹海を形成するとは、自然の成せるわざは、考えが及ばないなと、思いを馳せつつ、趣味のトレッキングをしました。平坦な道でマイナスイオンを目一杯浴びること、都会で過ごしている身にとってはなににも代えがたい贅沢でした。
夏の終わり、秋に向かう山道では、“きのこ” が多く自生しています。私はきのこ好きで、いいきのこがあると、テンションが上がって写真を撮ったりしましたが、今回、今までみたこともないような、✨完璧なきのこ様✨に出会いました!
『む‼ 鮮やかな赤が前方にあるけど、なんだろう。誰かが落としたハンカチかな?』
『むむ‼ やや大きな赤い物体が、どんどん近づいてくるけど、あれは人工のものかな? 現代アート???』
『むむむむぬーーーーー‼ これ、まさかきのこ? やっぱり誰かが作ったビックリアート?? なにこれーーー。』
『きゃーーーーー( ゚Д゚) こわい。触っちゃダメ。絶対これ毒ありそう‼ モノホンですか???? マジ??????』
それが、こちらです。 1・2・3・・・・・
いやいや、合成じゃない。作ってません。完全天然1点ものの完璧なきのこ様です。倒木の後ろにちょっと登山靴が見えてますよね?このサイズ感ですよ。こんな出会い、ありますか??地球外からやってきた?きのこの山はここから生まれたのか?もうなにがほんとかわからないほど、近年まれにみる胸の高鳴りでした。
ほんと怖いので、触らずに、祟りがありそうなので取らずに帰宅しました。
あれは幻だったのか。。。ふくろうスタッフとランチ時に話合いをしました。みんなにわかに信じてくれませんでしたが、触らす帰宅したことは正解だったという意見で合致しました。
その後、自宅にある、日本のきのこ図鑑(きのこ好きで所蔵していました。日本のきのこ、半分以上が毒って書いてあるのでほんと見るだけにしています)で探してみると・・・・あれ?これなの?
正解は、タマゴダケといハラタケ目テングタケ科テングタケ属のテングタケ亜属タマゴタケ節に分類されるキノコの一種。でした。
なんと、これはまだ生まれて若い状態で、これから上の傘の部分が開いていくと―――――――、
なんと、私が5年間所蔵し、大事に見ているきのこ図鑑の表紙のきのこでした(*_*) しかも食べれる✨
えーほんと?表紙は毎回みてるのに、全然わからなかった。でも根本みると確かに卵から生まれてきたようになってるーーー💛です。
私が今までみた中で、こんなにきれいな発色で完璧なフォルムの大きなキノコはなかった‼しかもタマゴダケを画像検索しても、こんなに完璧なものはない!
ということで、大興奮の中、全世界にむけてきのこの写真を載せることにしましたー。
完全に皮膚科とは関係ないお話でした。最期まで目をとおしていただいた方、ありがとうございました。
院長 藤本 智子
② チョイス で語られなかったこと 多汗症患者さんたちの声
今回、Eテレチョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」 の取材の際、事前の打ち合わせでお願いしたことがありました。
藤本:多汗症の治療選択肢のチョイスの中に、`あえて治療をしない’ というチョイスも含められませんか?と。
これは、長年診療をする中で多くの患者さん達とお話しし、治療を提供し、少しでも汗の悩みを解決していくという立場から提示するというのは、一見全く逆であり、とんでもない!とお叱りを受けるかもしれません。今日はそのことについて少し掘り下げておハナシをしていきたいと思います(長いです。長すぎますが・・・よろしくおねがいします)。
私が多汗症をはじめてみたのは2005年の東京医科歯科大学の発汗異常外来という専門外来をはじめてからとなります。当時は患者さんを目の前にするものの、その悩みも初めて聞くものですし、圧倒的な経験不足の前にどう向き合ったらいいのか自らも悩みながらの診療でした。汗で日常生活がしにくくなることはもちろんですが、さらにみなさんを苦しめていることは、`親しい人にも打ち明けられない’`悩みを共有できる人がいない’という孤独感でした。
これは、まず多汗症という状態で困っている人が沢山いることを認知してもらうことが必要ではないか。そんな中で、ふくろう皮膚科を開業した当初、休日のクリニックで、少人数で多汗症の患者さん達と話し合いの機会を何回かもつことができました。そこでは、診察室の短い時間では聞くことができなかった多くの悩みを参加者と共有できました。中でも私の心に強く残った言葉は、`ピアノの先生に汗が多いので何とかしなさいと言われてトラウマになった。親にも理解できないので、誰にも話すことができなかった。このように同じことで苦しんでいる人と話を共有できてよかった。小さくて悩んでいる子供のころに、こんな風に汗のことを相談できたり共有できるような場があったらよかった。’というお話でした。
それから3年、多汗症で悩んでいる人たちがSNSやツイッターなどで自分の経験をお話したり、共有するために集まったりする場があるんだよということを診察室で患者さんから聞くことがちょくちょくありましたが、実際にお会いして共感した方2人、ご紹介します。
一人は守矢奈央さん、彼女は掌蹠多汗症であることを公表し、ご自分で多汗症の人が生活しやすい靴下などの製品を作ったり(athe)する傍ら、多汗症の人とのコミュニティーを開く場を提供したいと活動されています。去年の発汗学会で、専門家の学会の中、果敢にも学生の時に研究された研究結果をもって発表された姿に感銘しました(例えると、アマゾンの希少部族の中にカメラマンとして乗り込む、くらいの勇気がいります👏ふつうできませんね)。twitter.com/nao_athe?fbclid=IwAR2lx4Rt3booJuqvAguwhX0tv9iQTJD4Yf2wRIboW3WwBR_EncK7aVCpnrY
もう一人は本間洸貴さん。彼は掌蹠多汗症でご自身も掌蹠多汗症で悩まれて、14歳の時に胸部交感神経遮断術(ETS)を受けられ、その後も手術の副作用である代償性発汗と向き合いながらフリーランスで映像制作の仕事をされています。多汗症のことで悩みに悩んできた彼は、クラウドファンディングで多くの人から応援され、ドキュメンタリームービーを作成するに至りました。彼とは、映像の作成する過程で私の論文引用の掲載許可申請の時に丁寧なお手紙をクリニックあてでいただいたことで知り合いになりました。
このような出会いの中で、多汗症が認知されていくことで悩みを他の人にも理解してもらい、多汗症という状態を個性と受け止めて前向きに治療をしないという選択肢も、立派なチョイスなのではないか。と思ったのでした。結果的には、今回のEテレチョイスの番組としては、治療のチョイスという趣旨があるため、今回は治療しない選択肢については見送られることになりました。この場で、お二人がやっている活動を紹介させていただきたいと思います。
患者さんの会も不定期開催で行っているとのこと、これからも当院でも開催時にはお知らせをリンクしたいと思います。
最後に、とはいえ、これから多汗症の治療方法については、これだけ多くの困っている人がいるのです。新しい治療が今後でてきて、チョイスの数が増えてくると思います。そのことについてはまたの機会で取り上げていきたいと思います!
上 守矢奈央ちゃんと、2019年発汗学会で初対面 ‼
下 Voice上映会+患者会 2019年冬。本間洸貴さんと守矢奈央さん開催にお邪魔させていただきました。名古屋から参加された方もおられました。みなさんツイッターなどで、お知り合いだったようで、〇〇で書き込んでいます。おおー、あなたがそうでしたか。と、初対面と思えない出会いを見せていただきました。
院長 藤本 智子
①2020年7月25日放送 Eテレチョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」
2020年07月25日 午後8:00 ~ 午後8:45 (45分)
チョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」に出演をします。汗でお悩みの時のチョイス、丁寧に保険診療でできること中心に取材いただきました。
これも、多汗という状態が非常に生活の支障がでる状態であること、それに対しての対策が自分で選べるようになってきたこと、その一つの選択肢、チョイスが医療機関でできることが広く伝わってきたのだと本当にうれしい限りです。多汗で困る人は、やはり都市型の生活(電車通勤・通学)で、対面で人と人との関わりがあるような職業(学生さん・営業職・制服を着用するような業種)、場面(プレゼン・発表の時、人と手をつなぐ、会食をするなど)で困っています。逆に、コロナでリモートワークが進み、人との距離感が今後変わってくるような状態になってくると、逆に困らなくなるようになることもあるかもしれません。
出演してくださった方々はみなさん、当院におかかりの方です!東京医科歯科大学の皮膚科の専門外来からの長年の方もおられます。自分が長く悩んだ症状で受診するのも勇気がいるのに、さらに取材を受けるというその決心には、「多汗のことで人知れず悩んでいる人の力になりたい」という思いがありました。
番組取材スタッフの方々、打ち合わせからとても丁寧に取材をいただいたので、永久保存版な内容となっています。ぜひお楽しみに!
司会は八嶋智人さん、大和田美帆さんです。日々ご活躍なタレントさんですが、多汗症のことについて本当に関心をもっていただきました。
収録後は、おなじみチョイス‼ポーズを一緒にしてもらってとても嬉しかったです(((o(*゚▽゚*)o)))
院長 藤本 智子