院長の趣味のきのこ図鑑 ~完璧なきのこ~(皮膚科の内容はありません)
先日、山梨県のある山道を森林浴してきました。国道から5Mくらいと、ほんの少し入った場所ですが、山道でもないのでだれーも歩く人がいませんでした。富士山が貞観6年(864年)に噴火した際に灼熱に焼けた溶岩流が流れ下り、冷えて固まったのが風穴や氷結といわれる特殊な地形を作り上げたそうです(詳細は成書に譲らせていただきます)。そこに、いつしか木が生え、苔がむし、樹海を形成するとは、自然の成せるわざは、考えが及ばないなと、思いを馳せつつ、趣味のトレッキングをしました。平坦な道でマイナスイオンを目一杯浴びること、都会で過ごしている身にとってはなににも代えがたい贅沢でした。
夏の終わり、秋に向かう山道では、“きのこ” が多く自生しています。私はきのこ好きで、いいきのこがあると、テンションが上がって写真を撮ったりしましたが、今回、今までみたこともないような、✨完璧なきのこ様✨に出会いました!
『む‼ 鮮やかな赤が前方にあるけど、なんだろう。誰かが落としたハンカチかな?』
『むむ‼ やや大きな赤い物体が、どんどん近づいてくるけど、あれは人工のものかな? 現代アート???』
『むむむむぬーーーーー‼ これ、まさかきのこ? やっぱり誰かが作ったビックリアート?? なにこれーーー。』
『きゃーーーーー( ゚Д゚) こわい。触っちゃダメ。絶対これ毒ありそう‼ モノホンですか???? マジ??????』
それが、こちらです。 1・2・3・・・・・
いやいや、合成じゃない。作ってません。完全天然1点ものの完璧なきのこ様です。倒木の後ろにちょっと登山靴が見えてますよね?このサイズ感ですよ。こんな出会い、ありますか??地球外からやってきた?きのこの山はここから生まれたのか?もうなにがほんとかわからないほど、近年まれにみる胸の高鳴りでした。
ほんと怖いので、触らずに、祟りがありそうなので取らずに帰宅しました。
あれは幻だったのか。。。ふくろうスタッフとランチ時に話合いをしました。みんなにわかに信じてくれませんでしたが、触らす帰宅したことは正解だったという意見で合致しました。
その後、自宅にある、日本のきのこ図鑑(きのこ好きで所蔵していました。日本のきのこ、半分以上が毒って書いてあるのでほんと見るだけにしています)で探してみると・・・・あれ?これなの?
正解は、タマゴダケといハラタケ目テングタケ科テングタケ属のテングタケ亜属タマゴタケ節に分類されるキノコの一種。でした。
なんと、これはまだ生まれて若い状態で、これから上の傘の部分が開いていくと―――――――、
なんと、私が5年間所蔵し、大事に見ているきのこ図鑑の表紙のきのこでした(*_*) しかも食べれる✨
えーほんと?表紙は毎回みてるのに、全然わからなかった。でも根本みると確かに卵から生まれてきたようになってるーーー💛です。
私が今までみた中で、こんなにきれいな発色で完璧なフォルムの大きなキノコはなかった‼しかもタマゴダケを画像検索しても、こんなに完璧なものはない!
ということで、大興奮の中、全世界にむけてきのこの写真を載せることにしましたー。
完全に皮膚科とは関係ないお話でした。最期まで目をとおしていただいた方、ありがとうございました。
院長 藤本 智子
期間限定応援記事:多汗症オンライン患者会
多汗症患者さんの会 (クリニックは今回出席しません)
先日のちえぶくろうで紹介した守矢奈央さんと、本田洸貴さんによるコラボ。今回は本間さんのドキュメンタリーに出演されていたアーティストのmokaさんも参加されるイベントという新しい試みです。
当院は、この新しい試みをしようとするお二人の気持ちに共感し、応援させていただくこととしました。
8月1日web開催で、人数制限がある先着順の申し込み。
今回、私は参加できませんが、このような会がよりよい場になっていくことを心から応援しています。参加フォームについては下記より
院長 藤本 智子
② チョイス で語られなかったこと 多汗症患者さんたちの声
今回、Eテレチョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」 の取材の際、事前の打ち合わせでお願いしたことがありました。
藤本:多汗症の治療選択肢のチョイスの中に、`あえて治療をしない’ というチョイスも含められませんか?と。
これは、長年診療をする中で多くの患者さん達とお話しし、治療を提供し、少しでも汗の悩みを解決していくという立場から提示するというのは、一見全く逆であり、とんでもない!とお叱りを受けるかもしれません。今日はそのことについて少し掘り下げておハナシをしていきたいと思います(長いです。長すぎますが・・・よろしくおねがいします)。
私が多汗症をはじめてみたのは2005年の東京医科歯科大学の発汗異常外来という専門外来をはじめてからとなります。当時は患者さんを目の前にするものの、その悩みも初めて聞くものですし、圧倒的な経験不足の前にどう向き合ったらいいのか自らも悩みながらの診療でした。汗で日常生活がしにくくなることはもちろんですが、さらにみなさんを苦しめていることは、`親しい人にも打ち明けられない’`悩みを共有できる人がいない’という孤独感でした。
これは、まず多汗症という状態で困っている人が沢山いることを認知してもらうことが必要ではないか。そんな中で、ふくろう皮膚科を開業した当初、休日のクリニックで、少人数で多汗症の患者さん達と話し合いの機会を何回かもつことができました。そこでは、診察室の短い時間では聞くことができなかった多くの悩みを参加者と共有できました。中でも私の心に強く残った言葉は、`ピアノの先生に汗が多いので何とかしなさいと言われてトラウマになった。親にも理解できないので、誰にも話すことができなかった。このように同じことで苦しんでいる人と話を共有できてよかった。小さくて悩んでいる子供のころに、こんな風に汗のことを相談できたり共有できるような場があったらよかった。’というお話でした。
それから3年、多汗症で悩んでいる人たちがSNSやツイッターなどで自分の経験をお話したり、共有するために集まったりする場があるんだよということを診察室で患者さんから聞くことがちょくちょくありましたが、実際にお会いして共感した方2人、ご紹介します。
一人は守矢奈央さん、彼女は掌蹠多汗症であることを公表し、ご自分で多汗症の人が生活しやすい靴下などの製品を作ったり(athe)する傍ら、多汗症の人とのコミュニティーを開く場を提供したいと活動されています。去年の発汗学会で、専門家の学会の中、果敢にも学生の時に研究された研究結果をもって発表された姿に感銘しました(例えると、アマゾンの希少部族の中にカメラマンとして乗り込む、くらいの勇気がいります👏ふつうできませんね)。twitter.com/nao_athe?fbclid=IwAR2lx4Rt3booJuqvAguwhX0tv9iQTJD4Yf2wRIboW3WwBR_EncK7aVCpnrY
もう一人は本間洸貴さん。彼は掌蹠多汗症でご自身も掌蹠多汗症で悩まれて、14歳の時に胸部交感神経遮断術(ETS)を受けられ、その後も手術の副作用である代償性発汗と向き合いながらフリーランスで映像制作の仕事をされています。多汗症のことで悩みに悩んできた彼は、クラウドファンディングで多くの人から応援され、ドキュメンタリームービーを作成するに至りました。彼とは、映像の作成する過程で私の論文引用の掲載許可申請の時に丁寧なお手紙をクリニックあてでいただいたことで知り合いになりました。
このような出会いの中で、多汗症が認知されていくことで悩みを他の人にも理解してもらい、多汗症という状態を個性と受け止めて前向きに治療をしないという選択肢も、立派なチョイスなのではないか。と思ったのでした。結果的には、今回のEテレチョイスの番組としては、治療のチョイスという趣旨があるため、今回は治療しない選択肢については見送られることになりました。この場で、お二人がやっている活動を紹介させていただきたいと思います。
患者さんの会も不定期開催で行っているとのこと、これからも当院でも開催時にはお知らせをリンクしたいと思います。
最後に、とはいえ、これから多汗症の治療方法については、これだけ多くの困っている人がいるのです。新しい治療が今後でてきて、チョイスの数が増えてくると思います。そのことについてはまたの機会で取り上げていきたいと思います!
上 守矢奈央ちゃんと、2019年発汗学会で初対面 ‼
下 Voice上映会+患者会 2019年冬。本間洸貴さんと守矢奈央さん開催にお邪魔させていただきました。名古屋から参加された方もおられました。みなさんツイッターなどで、お知り合いだったようで、〇〇で書き込んでいます。おおー、あなたがそうでしたか。と、初対面と思えない出会いを見せていただきました。
院長 藤本 智子
①2020年7月25日放送 Eテレチョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」
2020年07月25日 午後8:00 ~ 午後8:45 (45分)
チョイス@病気になったとき「多過ぎる汗の悩み」に出演をします。汗でお悩みの時のチョイス、丁寧に保険診療でできること中心に取材いただきました。
これも、多汗という状態が非常に生活の支障がでる状態であること、それに対しての対策が自分で選べるようになってきたこと、その一つの選択肢、チョイスが医療機関でできることが広く伝わってきたのだと本当にうれしい限りです。多汗で困る人は、やはり都市型の生活(電車通勤・通学)で、対面で人と人との関わりがあるような職業(学生さん・営業職・制服を着用するような業種)、場面(プレゼン・発表の時、人と手をつなぐ、会食をするなど)で困っています。逆に、コロナでリモートワークが進み、人との距離感が今後変わってくるような状態になってくると、逆に困らなくなるようになることもあるかもしれません。
出演してくださった方々はみなさん、当院におかかりの方です!東京医科歯科大学の皮膚科の専門外来からの長年の方もおられます。自分が長く悩んだ症状で受診するのも勇気がいるのに、さらに取材を受けるというその決心には、「多汗のことで人知れず悩んでいる人の力になりたい」という思いがありました。
番組取材スタッフの方々、打ち合わせからとても丁寧に取材をいただいたので、永久保存版な内容となっています。ぜひお楽しみに!
司会は八嶋智人さん、大和田美帆さんです。日々ご活躍なタレントさんですが、多汗症のことについて本当に関心をもっていただきました。
収録後は、おなじみチョイス‼ポーズを一緒にしてもらってとても嬉しかったです(((o(*゚▽゚*)o)))
院長 藤本 智子
2020年 6月 第119回日本皮膚科学会総会 巻き爪のメカニズムについての研究
6月4日、日本皮膚科学会総会で発表を致しました。京都で開催の予定でしたが、コロナの影響ですべてオンラインでの発表となりました。発表内容は、東京医科歯科大学皮膚科フットケア外来でおこなった巻き爪に関する臨床研究についてです。
巻き爪は足のトラブルの中でも日常的に比較的多い疾患で、症状がひどくなると歩行時に痛みを生じ困っている方もたくさんいらっしゃると思います。
今回の臨床研究では、巻き爪の発生メカニズムに関係すると思われる項目について検証しました。その結果、外反母趾などの足の変形、足や足の指の関節の動き、そして歩き方などが、巻き爪と関係することが示唆されました。
巻き爪は爪のみの問題ではなく色々な要素が複雑に絡み合って発生しています。そのため、治療については、爪の矯正だけではなく、歩行姿勢や筋力トレーニングなど総合的な取り組みが重要と思われます。
子どもからご高齢の方まで、巻き爪で悩まれる方は日常的に多く外来に来院されます。今までも、問診では感じていましたが、その発症には複合的な要因があることを明らかにした発表でした。当院では、爪の切り方や、基本的な日々のケアの指導などを行っております。診察の際にご相談ください。
副院長 伊藤 裕子