2019-11-22

読売家庭版 帯状疱疹の話

今回は帯状疱疹のお話です。体の左右どちらか一方にピリピリするような痛み、その後にぶつぶつがでてきたら、それは帯状疱疹の可能性があります。帯状疱疹のウィルスは小さい時に行った水疱瘡のウィルスが体の中にその人の一生涯の間、神経節というところに潜んでいます。生活の中で疲れがたまり、免疫が低下すると、そのウィルスの制御がきかなくなり、また神経を伝って皮膚にでてきます。若年の方の発症もありますが、高齢者では発症頻度が低くはないので、けっこうお知り合いの方で ‘帯状疱疹になってかなり症状がひどくて大変だった’ という方がおられるのでないでしょうか?今は抗ウィルス薬で新しいものも登場していますので、疑われたらはやめの受診をお勧めします。

また、最近は子供の時に水疱瘡の予防接種をするようになったため、小さいころには予防接種で水疱瘡にかからない子が増えています。当院でも先日中学生のお子さんが、中間テストの疲れがたまったころに帯状疱疹を発症して来院されました(この患者さんは小さいころに水疱瘡になっています)。同じクラスで水疱瘡になったことがない子が8人もいたというのは驚きですが、幼少時のワクチンが普及しているのだなあと実感しています。しかしそのため、最近は大人になって初めて水疱瘡を発症する方も多くなってきています。

ただ、やはり帯状疱疹は免疫の下がりやすい疾患を持つ方や、高齢者で重症化することが多いですので、近年では50歳以上の成人の方に帯状疱疹の予防ワクチンの接種が推奨されています。ご心配の方は一度ご相談ください。現在のワクチンは生ワクチンであり、免疫を抑制するような薬を内服中の方や、がんの治療を受けているという方には使えないということもあります。今後はどのような方にも打てるワクチンが本邦でも認可される予定でありますので、準備が整うのを待ちたいと思います。

2019年12月号読売家庭版 帯状疱疹

寒くなってまいりました。インフルエンザも流行を迎えていますね。手洗いうがいを行って予防をしていきましょう。

院長  藤本 智子

2019-09-09

1・2・3歳 カラダのおハナシ 肌の常識 〇?✕?

関東を通り過ぎた台風一過、多くの交通機関が乱れて大変な一日でしたね。当院も安全第一で予約時間関係なくみなさん無事お越しいただけてほっとしました。今日のように多大な影響がでる気象や災害の場合の準備について、改めて職場でも家庭でも対策を話し合う機会にもなるとも思いました。

今回は、カラダのおハナシの記事の取材を受けました。カラダのおハナシ 肌

2年前の当院内覧会でもお話しましたが、スキンケアでアレルギーの一部が予防できるという内容について記事にしていただきました。日頃のスキンケア(洗う、保湿する)を行うことで予防できるアレルギーがあるということは、本当にやらなきゃ損ですね。入浴後5分のスキンケアの積み重ねが日頃の肌の調子を保ちます。

肌のバリア機能は、毎日ゆらぎがあります。睡眠不足やストレス、ホルモンバランスでもバリア機能に影響しますし、もちろん気温や湿度、紫外線や汗などもそのバランスに大きな影響を与えます。さらに使用する石鹸や化粧品類、肌の手入れの仕方、肌に直接さわる下着の生地や密着度の影響も加わっていきますので、少しずつの積み重ねで大きな差がでてくるでしょう。

毎日、入浴後の5分は自分の肌と向き合って、その日その日の肌の様子を観察していくと、“今日は元気な肌だな” “今日は乾燥しているな”など微妙な違いが分かってくると思います。様子をみて、今日はしっかりここに塗り薬を塗っておこう、さらには 少しお酒を控えよう、とか、少し運動をするようにしよう、とか、睡眠を今日は多く取ろうなど自分なりの対策もでてくるかと思います。場合によっては、こんなほくろあったっけ? 爪がぶ厚いし白く濁ってきている。など新しい発見もあるかもしれません。

お子さんや自分の肌に関心を持つことがスキンケアの大きな一歩になります! ぜひ実践していきましょう

 

院長 藤本 智子

 

2019-07-04

NHK きょうの健康 7月9日 あなどれない!大人のあせも の回に出演しました

7月9日のNHK Eテレ きょうの健康 に、あせもの回で出演させていただきました。放送はまだなのですが、NHKテキストは発行されましたので、お知らせとなります。19061400

湿度が高く、また気温も高くなってきて汗ばむ季節となりました。子供もですが、実は大人もあせもがこの季節から増えてきます。どんな状況であせもがでるのか、その時の対応などについてお話をしました。湿度が高く、連日蒸し暑い日々です。洋服のしめつけるところや、頸部、肘や膝のまがるところなどに汗がたまり、こすれてあせもができます。掻いて湿疹がひどくなる方も多くなってきています。

汗をかいたら、できたら洗い流す、できなかったらウェットティッシュなどでふき取るのも対応となります。自身での対応で対処できないときは、皮膚科に受診ください。暑い夏をどうやって快適に過ごすことができるか日々考えて、最近実践しているのは登山用の洋服など、汗対策している線維や素材の快適なことに日々驚いています。

今回は、渋谷にあるNHK放送センターで、番組用のセットの中で収録となりました。ヘアメイクはばっちりしてもらい、収録後のほっとした中なのでかなりどや顔です。司会の黒沢保裕さん、岩田まこ都さんに親切にリードしてもらいながらの収録でした、お時間があえばご覧いただけたら幸いです。

院長 藤本智子

2019-06-10

1・2・3歳 2019年夏号 カラダのおハナシ 爪の常識 〇?✕? 

やはり子供の爪の話はみなさんお悩みであると思いますが、比較的好評をいただいたのか去年の爪の取材の引き続きで再度、爪のお話しの取材を受けました。

日常でできるお手入れ、爪の変色にはどんな原因があるのか、軽い爪の外傷などについての記事となっています。

ご興味のある方はぜひご覧ください。

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院長  藤本智子

2019-05-18

蕁麻疹 登山中の植物にご注意を② 回答

これは、皮膚科の教科書に載っているあの植物では・・・・・と、あとで調べて気が付きました。答えは、イラクサです。

イラクサは、別名蕁麻(じんま)と呼ばれ、これが蕁麻疹の名前の由来なんですね。とげのなかに、蕁麻疹を起こすヒスタミンという成分が入っていて、その成分が腫れやかゆみ、成分が多い場合には痛みも引き起こすという、、、、東京都健康安全研究センターのHPにも、アウトドアで気を付けたい植物として載っていました。

http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/issue/health/webversion/web21.html

なるほど。これは皮膚科医として自分でも体験しなくては(家族の症状の経過をみた後でやるという、、、今後の家族関係に波風をたてかねない発想ですね。。。)と思い立ち、翌日の登山はイラクサを探しながらの山登りになりました。目を皿にして足元ばかりをみて数分でーー、ありました!

さらさらと腕に触れました。と、その瞬間刺されました。(マネすることは決しておススメいたしません。)

 

 

イラクサに触れた瞬間、“いったーーーい。” こりゃ子供は泣くわ、という痛みでした。

その後すぐ皮膚が腫れてきて、本当に蕁麻疹がでてきました。約30分ほどで発疹は消退。

 

 

 

 

 

結論:ハイキング、登山は長そで、長ズボンを履きましょう!

 

やはり空気がいい中、登山をするのは心身ともにリフレッシュになります。しかし、万一の場合を考え事前の準備を怠らずに、計画的に登りたいと思いました。

 

皮膚科で受診される蕁麻疹は、原因がわかるものよりも、原因がはっきりわからないもののほうが割合が多いです。体内で蕁麻疹を起こすヒスタミンを中心とした物質がでていることから起こります。体調が悪い時、風邪のあと、ストレスや寝不足の時にも起こりやすいといわれています。症状の原因がわからなくとも、症状から診断をした後は、治療は抗ヒスタミン薬の内服です。慢性の方も多いのですが、徐々に改善します。継続して内服をしていただくようお話ししています。

院長  藤本智子