2018-01-11

今日の診療指針 2018 執筆担当をしました

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各病院に1冊はある ‘今日の診療指針’。今年で60周年を迎え、毎年、内容を変えて改訂版がでる書籍です。あらゆる科の疾患が網羅されており、診療の現場ではかかせない辞書のような存在です。

このたび、2018年度版今日の治療指針 全執筆者1127人の中の一人として 「汗疱、あせも、わきが、多汗症」のテーマについて担当しました。

まだまだ多汗症は医療の中では認知度が低い疾患です。より多くの医療機関、医師が患者さんの診療を行えるよう、熱い願いを込めて執筆しました。

そして、できあがった書籍がクリニックに届きました!表紙は ゴールド☆ さすが60周年ということでージャスです。

 ゴールドのぴかぴか表紙に怪しい影が。。。。。撮影している自分自身ですね。。。。。残念ゴージャスじゃない!

 

2018年の仕事始め、汗の診療に長年携わってきた身としては、大変うれしいお仕事の完成からスタートになりました!

 

院長 藤本 智子

2017-12-08

CITY LIVING きちんと知る女性のカラダ 汗の取材

CITY LIVING きちんと知る女性のカラダ

「止まらない汗に困ったら治療も検討してみよう」の取材を受けました。

http://city.living.jp/common/karada/867177

汗の治療は市販のものもかなり有効な製品がでていきています。軽症から中等度の多汗の方は有効成分が含まれている製品(何パーセントが含まれているかは表示されていません)を選んでいただけたらと思います。

院長 藤本智子

2017-11-20

第81回日本皮膚科学会 東京支部学術大会 教育講演3 多汗症の治療

 

皮膚科学会会場の写真。今回は昭和大学の主催でした。

11月18日土曜日は、日本皮膚科学会東京支部学術大会が京王プラザホテルで行われ、その中で教育講演の演者をしました。50分しゃべれるのか。聴衆は来るのか。はらはらしましたが、結果的には会場に200人ほど(椅子の数から考えておそらく・・・)、いっぱいの皮膚科の先生方にお越しいただきました(^^)/

 

多汗症の診療は少しずつクリニックで行われるようになってきていますが、まだまだ十分に行われているとはいえない状況にあると思います。ただ、ここ最近、関心を持っていただける先生が明らかに増えていると実感しています。講演では皮膚科医師にむけた内容で、多汗症の診療がいつからでも始められるような内容で組み立て、会場の先生方の熱気も感じられました!今後も専門性は持ちつつ、日本国内の皮膚科の先生方と共有できるような方向性で活動ができたらと思いました。

もちろんふくろう皮膚科での診療に取り入れられる他の先生方の講演や、最新の皮膚科学についても学んできましたので、明日からの診療に生かしていきます。

 

 

そして自分のお役目が終わった第2部では、クリスマスイルミネーションで彩られる新宿の街で、、、飲み屋に直行し、至福の打ち上げをしました。

新宿のLOVEの前で。誰が誰だか。

何はともあれ充電もできましたので、年末まで頑張ってまいります。

院長  藤本 智子

2017-09-11

ニオイがみえる! コニカミノルタ

本日はまた汗の診療に関連した話題です。

汗の診療をしていると、ニオイに関してのご質問も多く受けます。ニオイ診療の中では主に腋臭症(わきが)の診断をすることが多いのですが、他にも、頭部や体、足の臭いや下半身の臭いの相談もあり、ニオイに関する悩みを抱える方は、洋服選び、デオドラント製剤、食べ物や調理方法まで気を使って、外出前にシャワーに入り、着替えを準備するといったできる限りの対策を日々とられている方も少なくありません。そういう人にとって通勤電車やエレベーターの中、会社や学校での生活は非常に緊張感があるものとなり、気が休まるときがないほどです。

においについての評価、病院では実際に患者さんに臭う部分にガーゼを当ててもらい、医師が臭いを嗅ぐガーゼテストという、アナログで原始的な方法を用いています。しかし、何人もテストをしていますから、本当に臭いがあるかないか、その程度はどのくらいか、重症度に合わせた治療の方針を立てることができます。自分のニオイを気にすることで日々の生活がしにくくなっていると感じる方はぜひ受診をお勧めします。実際の診療では、本人が気にされているほど臭わない方も非常に多くおられ、ニオイという見えない存在に振り回されることの背景には、ネガティブなイメージが過剰になっている社会的な背景もあるのではないかと思うこともしばしばあります。

そんな中、コニカミノルタ株式会社からニオイセンサー、kunkun bodyという製品が発表されました。

https://kunkunbody.konicaminolta.jp/

測定できる部位は 頭、耳の後ろ、腋の下、足で、その部位の臭いを汗臭、ミドル脂臭、加齢臭に分解し総合結果を数値化するというものです。気になる人にとっては、第3者に頼ることなく出かける前のチェックとして使用でき、非常に助かる製品と思います。この数値化で、ニオイに関しての悩みが軽くなる人が多くなること、また医療現場でも活用できる可能性にも期待したいと思いました。

その一方で、診療をしている立場からはニオイ過剰症になっていないか、いつも無臭であること、さわやかな香りを身に着けることが当然という社会の風潮からくるプレッシャーが気になるニオイの原因になっていっているのではないか。という目線も常に持ちつつ、一人一人にの診療を行うことが、その人の悩みの解決につながるとも感じています。

ニオイの数値化のお話しでした。

 

 

院長 藤本智子

 

2017-08-30

多汗症の新薬としての可能性

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暑い夏ももう少しですかね。当院も多汗症の診療に力を入れていることもあり、夏は連日汗でお悩みの患者さんに来院いただいています。

今日は気になる文献をみつけたので紹介したいと思います。イスラエルの大学チームが行った多汗症患者さんに対しての新規外用薬の研究です。医学論文には色々あり、対象が細胞を対象とした実験や、動物を対象とした実験、そして人に対しての臨床研究などがあります。また、人に対しての研究なども研究のデザインにより、その論文が実際に診療の中で実用可能なのかということなど信頼度(エビデンスレベルといいます)が決まってきます。

今回はoxybutyninという、既存の成分の外用薬を多汗症の患者さんに対して1日2回、4週間塗ってもらって効果をみた研究です。そして研究としては1例報告や、症例比較といった研究デザインよりもエビデンスレベルが高いランダム化二重盲検試験という方法を用いて解析を行っています。結果としては53人の患者さんが治療を完了し、74%の患者さんにおいて発汗量の改善や、症状の改善を自覚されたとのことで、副作用は重大なものは皆無でありました。とのことです。

oxybutyninを成分とする内服薬は日本では、抗コリン作用を有するため頻尿・過活性膀胱治療薬として一般診療で使用されています。このような薬が将来的に多汗症の患者さんにも有効性が認められていく可能性を感じます。選択肢が増えるほど、患者さんには朗報になることは間違いないです。

詳細の論文はフリーでダウンロード可能です。ご興味がある方はぜひご覧ください。

http://www.medicaljournals.se/acta/content/abstract/10.2340/00015555-2731

 

夏のみならず、1年を通して汗で悩む人は多くおられます。当院でも現在において安全性と有効性が広く確認されている(エビデンスレベルのある)治療内容を揃えて診療にあたっています。

多汗症の診療は、いままでもこれからもライフワークとして取り組んでいきたいと思います。

院長 藤本智子